DATAサブシステムは、ユーザ定義の任意波形を管理します。
次の例では、DATAコマンドを使用して任意波形シーケンスをセットアップします。
以下に示すDATA:SEQuenceコマンドは、固定長ブロックの一例です。冒頭の「#3」は、次の3桁がブロックに含まれている文字数を表すことを示します。その直後に続く「164」は、以降の文字列に164文字があることを示します。 読みやすくするため、長い形式のDATA:SEQuenceコマンドを複数行に分割しています。 なお、DATA:SEQuenceコマンドの引用符はオプションなので注意してください。 |
*CLS
*RST
MMEM:LOAD:DATA "INT:\BUILTIN\HAVERSINE.arb"
MMEM:LOAD:DATA "INT:\BUILTIN\CARDIAC.arb"
MMEM:LOAD:DATA "INT:\BUILTIN\GAUSSIAN.arb"
DATA:SEQuence #3164"testSeq","INT:\BUILTIN\HAVERSINE.arb",0,repeat,highAtStartGoLow,30,
"INT:\BUILTIN\CARDIAC.arb",0,repeat,maintain,10,
"INT:\BUILTIN\GAUSSIAN.arb",0,repeat,maintain,10
FUNC:ARB "testSeq"
FUNC ARB
OUTPUT1 ON
このシーケンスは、ハーバサイン波形を30回実行してから、心拍波形およびガウシアン波形をそれぞれ10回実行します。ハーバサイン波形は各実行でマーカ・ハイ・スタートを強制し、マーカ・ポイントでローに設定します。他の2つの波形は、マーカ設定を保持します。
多くのDATAコマンドでは任意波形の名前が使用されます。次の規則が適用されます。
(オプションのIQ Player機能のある測定器のみに適用されます。)
DATA:ARB2コマンドおよびDATA:ARB2:DACコマンドの形式として、データ・ポイントをインタリーブする(ABAB)か、チャネル1すべての後にチャネル2すべてを続ける(AABB)かを指定します。
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キーワードのARBitrary2はスペルアウトできますが、省略する場合はARB2と書く必要があります。省略してARBと書くことはできません。 |
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
{AABB|ABAB} | AABBまたはABAB |
デュアル任意波形データにインタリーブ・データ形式を指定: DATA:ARB2:FORM ABAB |
DACコードを表す整数値(DATA:ARBitrary[1|2]:DAC)または浮動小数点値(DATA:ARBitrary[1|2])を、カンマ区切りの値のリスト、またはデータのバイナリ・ブロックとして波形の揮発性メモリにダウンロードします。33500シリーズと33600シリーズの両方で、DAC コードは-32,768~+32,767。
|
キーワードARBitraryの後に付けるオプションの[1|2]で、ダウンロードするデータに1つのチャネルのデータを含めるか(デフォルト)、2つのチャネルのデータを含めるかを指定します。 デュアル任意波形ファイル(2つのチャネルの任意波形のデータを含む単一のファイル)を使用するには、オプションのIQ Playerが必要です。 |
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
<arb_name> 最大12文字の、引用符で囲まれていない文字列。 | (なし) |
<binary_block>固定長任意ブロック・フォーマットの-32767~+32767の整数値、または -1.0~+1.0の浮動小数点値(詳細については下記を参照)。モデルおよびオプションによって波形あたり8~1Mまたは16Mのサンプル。 固定長ブロック・データには、一連の8ビット・バイナリ・データ・バイトとして送出される任意の種類のデバイス固有データを使用できます。これは、特に大量のデータ、または8ビットの拡張ASCIIコードを送信するときに便利です。 |
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<value> -32,767~+32,767の整数値または-1.0~+1.0の浮動小数点値のカンマ区切りのリスト。8~65,536ポイント。 | |
9つの波形ポイントのカンマ区切りリストを、波形メモリにダウンロードします。 9つの波形ポイントを波形メモリにバイナリ・ブロックとしてダウンロードします。<PMT>はバイナリ・データを何で終了するかを指定します。ライン・フィード文字でもかまいませんが、your_binary_dataの最後のバイトはEOI(End-Or-Identify)をアサートできます。 9つの波形ポイントのカンマ区切りリストを、波形メモリにダウンロードします。 デュアル任意波形の8つの波形ポイントを波形メモリにDACコードのカンマ区切りのリストとしてダウンロードします。2つのチャネルそれぞれに8個、全部で16個の値があります。データがインタリーブされている(ABAB)ため、正の値はすべてチャネル1に、負の値はすべてチャネル2にあります。 上記と同じ例をAABBフォーマットでダウンロードします。 |
インストールされるオプションに関わらず、組み込み波形エディタの最大波形サイズは1 MSaです。 |
内部メモリまたはUSBメモリにある、または波形メモリにロードされている、指定された任意波形のすべてのデータ・ポイントの算術平均を返します。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
<arb_name>は有効なファイル名です。 省略した場合、デフォルトの<arb_name>は現在アクティブな任意波形です(FUNCtion:ARBitraryにより選択)。 |
+2.47199927E‑002 |
「SINC」に保存されているすべてのポイントの平均を返します。 DATA:ATTR:AVER?""INT:\BuiltIn\SINC.arb" |
内部メモリまたはUSBメモリにある、または波形メモリにロードされている、指定された任意波形のすべてのデータ・ポイントのクレスト・ファクタを返します。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
<arb_name>は有効なファイル名です。 省略した場合、デフォルトの<arb_name>は現在アクティブな任意波形です(FUNCtion:ARBitraryにより選択)。 | +1.72513640E+000 |
「NEG_RAMP」に保存されているすべてのデータ・ポイントのクレスト・ファクタを返します。 DATA:ATTR:CFAC?"INT:\BuiltIn\NEG_RAMP.arb" |
内部メモリまたはUSBメモリにある、または波形メモリにロードされている、指定された任意波形セグメント内のポイント数を返します。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
<arb_name>は有効なファイル名です。 省略した場合、デフォルトの<arb_name>は現在アクティブな任意波形です(FUNCtion:ARBitraryにより選択)。 | +250 |
「EXP_RISE」内のデータ・ポイントの数を返す: DATA:ATTR:POIN?"INT:\BuiltIn\EXP_RISE.arb" |
内部メモリまたはUSBメモリにある、または波形メモリにロードされている、指定された任意波形セグメントのすべてのデータ・ポイントのp-p値を計算します。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
任意の有効なファイル名. 省略した場合、デフォルトの<arb_name>は現在アクティブな任意波形です(FUNCtion:ARBitraryにより選択)。 |
+1.00000000E+000 |
「EXP_FALL」のp-p値を返す: DATA:ATTR:PTP?"INT:\BuiltIn\EXP_FALL.arb" |
MMEMory:LOAD:DATA[1|2]またはDATA:ARBitraryを通じて波形メモリに既にロードされている波形のシーケンスを定義します。MMEMory:LOAD:DATA[1|2]コマンドでも、関連する任意波形を自動的にロードし、振幅、オフセット、サンプリング・レート、フィルタ設定を含むシーケンス・ファイルをロードできます。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
以下で説明するIEEE固定長任意ブロック。 |
(なし) |
(例を参照) |
固定長ブロック・データには、一連の8ビット・バイナリ・データ・バイトとして送出される任意の種類のデバイス固有データを使用できます。これは、特に大量のデータ、または8ビットの拡張ASCIIコードを送信するときに便利です。
小さい波形では、トリガが受信されてから次の波形に切り替わるまで数サイクルかかる場合があります。これは、サンプル・バッファにあるサンプルをクリアする必要があるためです。 |
次のコマンドで、以前、MMEMory:LOAD:DATA[1|2]を使用してUSBドライブからロードされた3つのセグメント(A.arb、B.arb、およびC.arb)のシーケンス(mySequence)を構築します。このシーケンスはAを1回、Bを5回再生します。次に、Cを繰り返し再生しながら、先に進めるためのトリガを待機します。最後にAで終了します。各セグメントには<マーカ・ポイント>があり、10に設定されています。
コマンドを複数行で示しているのは、単に読みやすくするためです。
DATA:SEQ #3158"mySequence","USB:\A.arb",0,once,lowAtStart,10,"USB:\B.arb",5,repeat,highAtStart,10,
"USB:\C.arb",0,repeatTilTrig,maintain,10,"USB:\A.arb",0,once,lowAtStart,10
多くのテキスト・エディタでは、テキスト文字列をハイライトすることで、ブロックにあるバイト数をカウントできます。この例では、サイズは158であり、これを表現するには3桁必要です。したがって、ヘッダは#3158となります。
このアプローチを使用するには、すべての任意波形を事前にロードし、振幅およびオフセット(またはハイ・レベルとロー・レベル)、サンプリング・レート、およびフィルタを設定する必要があります。そのすべての情報を、複数のSCPIコマンドを使用するブロック転送を作成するのではなく単一のファイルに結合するには、MMEM:LOAD:DATAを参照してください。
揮発性波形メモリの内容を、任意波形およびシーケンスを含めて返します。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
(なし) |
"INT:\BUILTIN\EXP_RISE.ARB","USB:\XYZ\A.ARB","USB:\XYZ\B.ARB","USB:\xyz\xyz.seq" |
波形A.arb、B.arb、およびC.arbは、以前にはUSB:\xyz\xyz.seq: |
指定されたチャネルの波形メモリをクリアし、デフォルトの波形を再度ロードします。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
(なし) |
(なし) |
チャネル1の波形メモリの内容をクリアし、デフォルトの波形を再ロード: DATA:VOL:CLE |
揮発性メモリ内の利用可能な(空き)ポイントの数を返します。揮発性メモリにロードされた任意波形はそれぞれ128ポイントのブロックに割り当てられた空間を使用するため、8~128ポイントの波形はそれらのブロックを1つ、129~256ポイントの波形は2つ、以下同様に使用します。
標準の測定器には、チャネルあたり100万ポイント(33500シリーズ)または400万ポイント(33600シリーズ)のメモリが含まれています。 また、メモリのサイズを最大16M(33500シリーズ)または64Mポイント(33600シリーズ)まで拡張できます。
パラメータ | 代表的な戻り値 |
---|---|
(なし) | +382956 |
揮発性メモリの空きバイト数を返す: DATA:VOL:FREE? |