STATusサブシステムの概要

測定器のSCPIステータス・システムは、さまざまな測定器の条件と状態を複数のレジスタ・グループに記録します。

このサブシステムでは、イベントとは既に発生したものを指します。ただし、現在も発生中とは限りません。条件とは、現在存在しているものです。条件はイベント・レジスタに表示されますが、イベント・レジスタは破壊読み取りです。つまり、読み込んだときにクリア(0に設定)されます。

The STATusコマンドは、イネーブル・レジスタの2つにあるビットを操作します。以下のことが可能です。

STATus問合せ、以下を含め、疑問データ・レジスタ内のステータス・ビットについての情報にアクセスします。

STATus問合せでは、以下を含め、動作レジスタ内のステータス・ビットについての情報にもアクセスできます。

標準動作レジスタ・グループ

次の表で標準動作レジスタ・グループを説明します。

ビット番号 ビット名 10進値 定義
0 校正中 1 測定器が校正を実行しています。
1 セルフテスト 2

セルフテストを実行中です。

2 (予約) 4 (将来用に確保)
3 チャネル1初期化済み 8 チャネルが初期化され、目的の波形を出力しています。INIT[1|2]:CONT OFFでは、INIT受信後にこのビットが設定され、チャネルがIDLE(トリガ・カウントが満たされ、ビジーでない)になるまでクリアされません。チャネルがINIT[1|2]:CONT ONモードの場合、このビットは0です。
4 チャネル2初期化済み 16
5 トリガ待ち、チャネル1 32 測定器がトリガを待機しています。INIT[1|2]:CONT OFFでは、INT受信後、トリガを待機中にこのビットが設定されます。トリガを受信するとクリアされます。チャネルがINIT[1|2]:CONT ONモードの場合、このビットは0です。
6 トリガ待ち、チャネル2 64
7 (予約) 128 (将来用に確保)
8 構成変更イベント 256 このビットは条件でなくイベントを反映するため、条件レジスタでは常に0です。
9 (予約) 512 (将来用に確保)
10 測定器ロック済み 1024 リモート・インタフェース(USBまたはLAN)にロックがある場合(SYSTem:LOCK:REQuest?)、このビットが設定されます。リモート・インタフェースのロックが解除されると(SYSTem:LOCK:RELease)、このビットはクリアされます。
11 (予約) 2048 (将来用に確保)
12 (予約) 4096 (将来用に確保)
13 グローバル・エラー 8192

リモート・インタフェースのエラー待ち行列にエラーがある場合に設定され、そうでない場合はクリアされます。

14-15 (予約) 16,384 - 32,768 (将来用に確保)

疑問データ・レジスタ・グループ

疑問データ・レジスタ・グループについて次の表で説明します。

ビット番号 ビット名 10進値 定義
0 チャネル1電圧過負荷 1 チャネル1の出力コネクタの電圧が過負荷状態です。出力はオフにされました。
1 チャネル2電圧過負荷 2 チャネル2の出力コネクタの電圧が過負荷状態です。出力はオフにされました。
2 (予約) 4 (将来用に確保)
3 (予約) 8 (将来用に確保)
4 (予約) 16 (将来用に確保)
5 ループ・ロック解除 32 関数発生器の位相ロックが解除されました。周波数精度に影響が及びます。
6 (予約) 64 (将来用に確保)
7 (予約) 128 (将来用に確保)
8 校正エラー 256 校正中にエラーが発生したか、校正が保護されていないか、または校正メモリが失われています。
9 外部基準 512 外部タイムベースが検出されました。
10-15 (予約) 1024 - 32,768 (将来用に確保)

STATus:OPERation:CONDition?

標準動作レジスタ・グループの条件レジスタに問い合わせます。 レジスタは読み取り専用です。読み取られてもビットはクリアされません。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +32
条件レジスタを読み込む(ビット5を設定):
STAT:OPER:COND?

STATus:OPERation:ENABle <enable_value>
STATus:OPERation:ENABle?

標準動作レジスタ・グループのイネーブル・レジスタのビットをオンにします。選択されたビットは、標準動作サマリ・ビットとしてステータス・バイトに報告されます。

パラメータ 代表的な戻り値
レジスタ内のビットの10進値の合計 +256

イネーブル・レジスタのビット8(10進値は256)をオンにする:
STAT:OPER:ENAB 256

関連項目

*STB?

STATus:OPERation[:EVENt]?

標準動作レジスタ・グループのイベント・レジスタに問い合わせます。 これは、読み取り専用レジスタです。レジスタを読み取るとビットがクリアされます。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +32

イベント・レジスタを読み込む:
STAT:OPER:EVEN?

STATus:PRESet

疑問データ・イネーブル・レジスタおよび標準動作イネーブル・レジスタをクリアします。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)
イネーブル・レジスタ・ビットをクリア:
STAT:PRES

STATus:QUEStionable:CONDition?

疑問データ・レジスタ・グループ条件レジスタに問い合わせます。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +512
条件レジスタを読み込む(ビット9を設定):
STAT:QUES:COND?

STATus:QUEStionable:ENABle <enable_value>
STATus:QUEStionable:ENABle?

疑問データ・レジスタ・グループイネーブル・レジスタのビットを有効にします。選択されたビットはステータス・バイトに報告されます。

パラメータ 代表的な戻り値
レジスタ内のビット10進値の合計に等しい10進値 +512
イネーブル・レジスタのビット9(値512)をオンにする:
STAT:QUES:ENAB 512

STATus:QUEStionable[:EVENt]?

疑問データ・レジスタ・グループイベント・レジスタに問い合わせます。 これは、読み取り専用レジスタです。レジスタを読み取るとビットがクリアされます。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +512
イベント・レジスタを読み込む(ビット9を設定):
STAT:QUES?