IEEE 488-2共通コマンド

これらのコマンドと問合せは、IEEE 488.2標準に関連します。

コマンドの概要

*CLS

*ESE

*ESR?

*IDN?

*LRN?

*OPC

*OPC?

*OPT?

*PSC

*RCL

*RST

*SAV

*SRE

*STB?

*TRG

*TST?

*WAI

標準イベント・レジスタ

次の表に、標準イベント・レジスタを示します。

ビット番号

ビット名

10進値

定義

0

動作完了

1

*OPCとそれまでのすべてのコマンドが実行済みです。

1

未使用

2

0が返されます。

2

問合せエラー

4

測定器は出力バッファを読み取ろうとしましたが、空でした。 または、以前の問合せが読み取られる前に、新しいコマンド・ラインを受信しました。 または、入力と出力の両方のバッファがいっぱいです。

3

デバイス固有エラー

8

セルフテスト・エラーまたは校正エラーを含む、デバイス固有のエラーが発生しました(-300レンジまたは任意の正エラーが生成されました)。 SCPIエラー・メッセージの完全な一覧については、「SCPIエラー・メッセージ」を参照してください。

4

実行エラー

16

実行エラーが発生しました(-200レンジのエラーが生成されました)。

5

コマンド・エラー

32

コマンド構文エラーが発生しました(-100レンジのエラーが生成されました)。

6

未使用

64

0が返されます。

7

電源オン

128

最後にイベント・レジスタが読み取られるかクリアされてから、電源が入れ直されました。

ステータス・バイト・レジスタ

次の表に、ステータス・バイト・レジスタを示します。

ビット番号

ビット名

10進値

定義

0

未使用

1

(今後の使用のため予約済み)

1

未使用

2

(今後の使用のため予約済み)

2

エラー待ち行列

4

エラー待ち行列に1つまたは複数のエラーが保存されました。 SYSTem:ERRor?を使用して、エラーを読み取り、削除します。

3

疑問データ・サマリ

8

疑問データ・レジスタで1ビットまたは複数ビットが設定されています(ビットはオンである必要があります。STATus:QUEStionable:ENABleを参照してください)。

4

メッセージが使用可能

16

測定器の出力バッファのデータが読み取れます。

5

標準イベント・サマリ

32

標準イベント・レジスタで1ビットまたは複数ビットが設定されています(ビットはオンである必要があります。「*ESE」を参照してください)。

6

マスタ・サマリ

64

ステータス・バイト・レジスタで1ビットまたは複数ビットが設定されていて、それによりサービス・リクエスト(RQS)が生成される可能性があります。 ビットは*SREを使用してオンにされている必要があります。

7

標準動作サマリ

128

標準動作レジスタで1ビットまたは複数ビットが設定されています(ビットはオンである必要があります。STATus:OPERation:ENABleを参照してください)。

*CLS

ステータス・クリア・コマンド。 すべてのレジスタ・グループのイベント・レジスタをクリアします。 また、エラー待ち行列もクリアします。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)
イベント・レジスタ・ビットとエラー待ち行列をクリアします。
*CLS

*ESE <enable_value>
*ESE?

イベント・ステータス・イネーブル・コマンドと問合せ標準イベント・レジスタ・グループのイネーブル・レジスタのビットをオンにします。 選択されたビットは、ステータス・バイト・レジスタのビット5に報告されます。 イネーブル・レジスタにより、イベント・レジスタのどのビットがステータス・バイト・レジスタ・グループに報告されるかが定義されます。 イネーブル・レジスタに書き込んだり、イネーブル・レジスタを読み取ることができます。

注記

SCPIステータス・システムの詳細については、「サブシステムの概要」を参照してください。

パラメータ 代表的な戻り値

レジスタのビットの10進数での和。デフォルトは0です。例えば、ビット2(値4)、ビット3(値8)、およびビット7(値128)をオンにすると、10進数での和は140(4+8+128)になります。 デフォルトは0です。

+48
100 DC電圧測定を設定し、測定が完了すると、SRQの生成を有効にします。

*CLS
*ESE 1
*SRE 32
CONF:VOLT:DC
SAMP:COUN 100
INIT
*OPC

*ESR?

標準イベント・ステータス・レジスタ問合せ標準イベント・レジスタ・グループのイベント・レジスタを問合せます。

イベント・レジスタは読み取り専用レジスタであり、条件レジスタからイベントをラッチします。 イベント・ビットが設定されている間、そのビットに対応する後続のイベントは無視されます。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +24

イベント・レジスタを読み取ります(ビット3および4が設定されます)。
*ESR?

*IDN?

識別問合せ。 測定器の識別文字列を返します。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (以下を参照)
測定器の識別文字列を返します。
*IDN?

*LRN?

測定器を現在の状態に設定するのに必要な、すべてのコマンドのASCII文字列を返します。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) SCPIコマンドのASCII文字列で、コマンド間はセミコロン(";")で区切られます。
ラーン文字列を返します。
*LRN?

*OPC

現在の動作の完了時に、標準イベント・レジスタの「動作完了」(ビット0)を設定します。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)

100 DC電圧測定を設定し、測定が完了すると、SRQの生成を有効にします。

*CLS
*ESE 1
*SRE 32
CONF:VOLT:DC
SAMP:COUN 100
INIT
*OPC

*OPC?

待ち状態コマンドがすべて完了すると、出力バッファに1を返します。 このコマンドが完了する前、その他のコマンドは実行できません。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) 1

100 DC電圧測定を設定し、測定が完了すると"1"を返します。

CONF:VOLT:DC
SAMP:COUN 100
INIT
*OPC?

*OPT?

インストールされているオプションすべてを識別する文字列を返します。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (以下を参照)

インストールされているオプションを返します。
*OPT?

*PSC {0|1}
*PSC?

電源投入時ステータス・クリア 電源投入時の特定のイネーブル・レジスタのクリアを、オン(1)/オフ(0)します:

注記

*PSCコマンドは、条件またはイベント・レジスタのクリアには影響を与えず、イネーブル・レジスタのみクリアします。 SCPIステータス・システムの詳細については、「サブシステムの概要」を参照してください。

パラメータ 代表的な戻り値
{0|1}、デフォルトは1です 0または1

影響を受けるレジスタの電源投入時クリアをオフにします:
*PSC 0

*RCL {0|1|2|3|4}
*SAV {0|1|2|3|4}

現在の測定器ステートを、内部フラッシュ・ファイル・システムのルート・フォルダにあるステート・ファイルSTATE_<n>.sta(<n>は指定された番号)に保存したり、このファイルから呼び出したりします。

パラメータ 代表的な戻り値
{0|1|2|3|4} (なし)
測定器ステートを、内部フラッシュ・ファイル・システムのルート・フォルダにあるステート・ファイルSTATE_1.staに保存します。
*SAV 1

*RST

測定器を、MMEMory:STATe:RECall:AUTO設定にかかわらず、工場設定状態にリセットします。 これはSYSTem:PRESetに似ています。 違いは、*RSTではSCPI操作に関して測定器がリセットされ、SYSTem:PRESetではフロント・パネル操作に関して測定器がリセットされるという点です。 その結果、*RSTによってヒストグラムと統計がオフになり、SYSTem:PRESetによってそれらがオンになります(CALC:TRAN:HIST:STAT ON)。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)
測定器をリセットします:
*RST

*SRE <enable_value>
*SRE?

サービス・リクエスト・イネーブルステータス・バイト・レジスタ・グループのイネーブル・レジスタのビットをオンにします。 イネーブル・レジスタにより、イベント・レジスタのどのビットがステータス・バイト・レジスタ・グループに報告されるかが定義されます。 イネーブル・レジスタに書き込んだり、イネーブル・レジスタを読み取ることができます。

パラメータ 代表的な戻り値
レジスタのビットの10進数での和。デフォルトは0です。例えば、ビット2(値4)、ビット3(値8)、およびビット7(値128)をオンにすると、10進数での和は140(4+8+128)になります。 デフォルトは0です。 +24
イネーブル・レジスタのビット3および4をオンにします。
*SRE 24

*STB?

ステータス・バイトの読み取り問合せステータス・バイト・レジスタ・グループの条件レジスタを問合せて、レジスタ内にセットされているすべてのビットの2進重み付き和と等価の10進値を戻します。

条件レジスタにより、測定器の状態が連続的に監視されます。 条件レジスタ・ビットは、リアルタイムで更新されます。条件レジスタ・ビットはラッチもバッファもされません。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +40
条件レジスタの読み取り(ビット3と5が設定):
*STB?

*TRG

TRIGger:SOURce BUSが選択されている場合に、測定器をトリガします。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)

測定を開始するのにソフトウェア・トリガを使用して、5つのDC電圧測定を返します。

CONF:VOLT:DC
SAMP:COUN 5
TRIG:SOUR BUS
INIT
*TRG
FETCH?

代表的な応答:+1.00520000E+01、… (5つの測定値)

*TST?

測定器の基本セルフテストを実行し、合格/不合格の通知を返します。 TEST:ALL?のセルフテストは、*TST?のセルフテストよりも包括的です。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) +0(合格)または+1(1つまたは複数のテストが不合格)

セルフテストを実行します。
*TST?

*WAI

待ち状態の動作がすべて完了するまで待ってから、インタフェース経由で追加のコマンドを実行するように、測定器の出力バッファを設定します。

パラメータ 代表的な戻り値
(なし) (なし)

すべての待ち状態動作が完了するまで待機します。
*WAI